似て非なる物
- そうめんとひやむぎ
- そうめんの方が細く、ひやむぎの方が太い。
- 平成14年現在におけるJAS(日本農林規格)では、単純に麺の太さによって定められている。
丸麺 角麺 太さ 幅 厚さ そうめん 〜1.3mm 0.7〜1.2mm 〜1.0mm ひやむぎ 1.3mm〜1.7mm 1.2〜1.7mm 1.0mm〜2.0mm うどん
(細うどん)1.7mm〜
が、本当は製法が違う。
「そうめん」とは、油をまぶしながらよるようにして伸ばした麺。「ひやむぎ」と「細うどん」は製法が同じ。
- ざるそばともりそば
- ほぼ全ての店でざるそばは海苔付き、もりそばは海苔無しということになっている。
- 歴史的には、この二者はつゆが違う。ざるそばの方が良いつゆであったと言われている。
- もりそばとせいろそば
- 現実には両者の間に差はほぼ無い。
- せいろとは本来「蒸籠」のこと。つまり本来せいろそばと言った場合には蒸し蕎麦が出てくるはず。
- 丸いざるの事を(蒸篭の中で使うことから)せいろと呼ぶことあり、ここから丸いざるに乗った蕎麦をせいろそばと呼び始めたという説がある。その意味では、せいろそばと言って四角いざるに乗ったそばが出てくるのは誤りと言える。(が、そういう店は多い)
- とろろそばと山かけそば
- とろろそばはせいろそば、山かけそばはかけそば。
- そもそも「とろろ」とは材料の名前で、「山かけ」とは刺身や豆腐などの上にとろろをかけるという調理方法の名前。よってせいろの場合に山かけそばと呼ぶ事は間違いで、そこからこの言い分けになったと思われる。
- 冷しぶっかけは山かけそばと呼んでも構わないのだが、すでに「冷たい=とろろ、温かい=山かけ」という図式が出来上がっていたので、とろろそばと呼ばれている。
- 糸こんにゃくとしらたき
- 糸コンニャクは色問わず太め、しらたきは白くて細め。
- JAS(日本農林規格)では、色についての指定は無く、しらたきの方が細いことになっている。
- だが、皮を練りこんだ灰色の糸こんにゃくは、どれだけ細くともしらたきと呼ばれることが無い。
- 揚げ玉と天かす
- 大差は無い。
- 日本語の意味で行くと、揚げ玉は「玉のように揚げられた天ぷら」、天かすは「天ぷらを作る際に出来た小さな衣片」。
- 基本的にはどちらも同じ物を指すが、「丸いものが揚げ玉」「海老粉を使ったものが天かす」「そのためだけにいろいろ準備をして作った物は揚げ玉」「天ぷらと同時に作ったものは天かす」「市販のものは揚げ玉」などと言い分けている店があるが、それはあくまでその店での言い方であって、特に統一された基準はないと言える。
- 魚介類と魚貝類
- 「魚貝類」「魚貝」という単語は誤り。
- 魚介類とは魚と貝以外にも、エビ・カニ等の甲殻類、タコ・イカ等の軟体動物、ワカメ・コンブ等の藻類などをも含めた、水産動物全体を表す言葉。
- 陰イオンとマイナスイオン
- 別の次元のもの。
- 陰イオンとは、負の電荷を持つ原子(または分子)のこと。マイナスイオンとは、負に帯電した「微粒子」のこと。
- つまりマイナスイオンとは、イオンでは無い。
- ホッチキスとステープラー
- 同じ意味。
- 英語圏では、ホッチキス(Hotchkiss)とは考案者の名前で、ステープラー(stapler)が一般名詞。ホッチキスと呼ばれることはほぼ無い。
- ちなみに日本語では「綴込器」となる。
- セロテープとセロハンテープ
- 「セロテープ」は商品名。「セロハンテープ」は、間違って普及している一般名詞。
- 日本語では「粘着テープ」。「テープ」「セロハンテープ」には粘着と言う意味が無いので、スズランテープやビニールひもとの区別がつかない。
- うな丼とうな重
- 単純に、丼鉢(丸)と重箱(四角)の違い。
- 宅急便と宅配便
- 宅配が一般名詞。宅急便は商品名。
- 唐辛子とカイエンペッパー
- この2つに限らず、レッドペッパー、チリペッパー、鷹の爪、南蕃、蕃椒、カプシカムも。
- これらは全て同じ「ナス科トウガラシ属カプシカム」の果実のうち、赤くて辛いものの総称にすぎません。
- 島唐辛子やハバネロペッパー、チェリーボムといった、明らかに形が違うものを「鷹の爪」と呼んでも、間違いと断定することは出来ません・・・
- (これは「似て非なる物」じゃないですね)
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